エクセルで外皮計算をする
外皮計算をできればソフトなど購入せず、PCで、できれば操作に慣れたエクセルベースでやりたいという方はご覧ください。
住宅の外皮計算で、現在公的なプログラムとして公開されているのは以下の3種類です。
(一社)日本サステナブル建築協会の場合
サステナブル協会のプログラムは3つの別々のシートがあります。
部位の熱貫流率(U値)計算シート:木造軸組用
土間床の線熱貫流率(Ψ値)計算シート
外皮性能計算シート(木造戸建住宅、RC造共同住宅版)
順序としては以下の通りです。
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1部位の熱貫流計算シートで屋根(天井)・外壁の数値を入力する
step
2土間床の線熱貫流シートで基礎/床の数値を入力する
step
3それぞれの値と開口部の熱貫流率と面積(別途計算)を外皮性能計算シートに入力する
step
4計算結果が出る
一見簡単そうですが、いくつかハードルがあります。
①部位の熱貫流計算シートへの入力で柱や下地材と断熱材の関係、付加断熱の際の断熱部と熱橋部の考え方などがわかりずらい。
②屋根or天井の面積、外壁面積、開口部面積はそれぞれ別途手計算で拾う、あるいはCADデータから別途読み込む必要があります。
それをシートにひとつひとつ入力していく必要あり。
これらは外皮計算の考え方を知っていないとなかなかに難しい作業となります。
以下の記事中にオンライン講座のリンクがあります。
そちらでおさらいをされるのも良いかと存じます。
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改正建築物省エネ法 令和3年4月1日よりスタート
続きを見る
国立研究開発法人 建築研究所の場合
建築研究所はサステナブル協会同様、専用の計算シートに入力したのち、プログラムにアップロードして反映させる方式です。
はじめにこちらのページで「住宅・住戸の外皮性能計算条件入力シート」をダウンロード、
デスクトップなど任意の場所に保存します。
そのシートに各部位の場所、面積、熱貫流率などを入力していきます。
各シートにてそれぞれの入力を終えたならば、再度プロブラムの画面に移動し、データをアップロードします。
そうすると計算結果が出ます。
基本的に各部位の面積や熱貫流率は手計算する必要があります。
(一社)住宅性能評価・表示協会の場合
性能評価協会の場合も建築研究所と同じで各部位の面積、熱貫流率をシートに入力していきます。
プログラム上にアップロードなどはなく、エクセル上で結果が出ます。
計算方式ごとのメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
サステナブル協会 | 屋根や外壁の熱貫流率計算が半自動 | 覚えるまでシートの入力難易度高し
ファイル保存が最低でも3つ必要 |
建築研究所 | データ保存が1ファイルで済む | 屋根や外壁の熱貫流率計算が手動
プログラムのUP/DOWNロードが手間 |
性能評価協会 | 1ファイルで入力から結果まで把握できる | 屋根や外壁の熱貫流率計算が手動 |
外皮面積が入力なのは3つとも共通なので、熱貫流率計算が半自動であるサステナブル協会のソフトは助かります。
まとめ
- エクセルベースの外皮計算は専用ソフトを買わなくても、公開されている無料ソフトで対応可能です。
- 3つの公開ソフトがあり、それぞれ一長一短あります。
- 覚えてしまえば、熱貫流率計算が半自動のサステナブル協会のソフトが使いやすいです。
いかがでしたでしょうか。本当は設計ソフトと連動して外皮面積を拾わずに自動で反映されるソフトだとベストなのですが、
そのようなソフトは◯十万円してしまいます・・・。頑張って外皮面積を拾いましょう。
弊社では外皮計算サービスをうけたまわっております。
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省エネ計算サービス
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最後までお読みいただきありがとうございます。
また、外皮計算を含む省エネ計算や住宅の温熱についての様々なことを学びたい方はこちらでどうぞ