外皮計算

外皮計算にはどんな種類がありますか?

住宅の外皮計算、いろいろ種類があってどんな違いがあるんだろう?

外皮計算の種類

国土交通省 改正省エネ法解説資料より

 

「標準ルート」「簡易ルート」「モデル住宅法」「仕様ルート」の順で右に行くほど作業量は少なくなりますが、計算結果がアバウトになっていきます。

標準ルートの作業量が一番多く、その代わり正確な値が期待できます。

 

「仕様ルート」って何?

本来の外皮計算は

  1. 各部位(屋根・外壁・基礎・窓など)の断熱材や物性ごとの熱伝導率と材料の厚みから、熱貫流率を求める。
  2. 外皮(屋根・外壁・基礎)面積を求める。
  3. 各部位ごとの面積と熱貫流率から熱貫流量の合計を求める。
  4. 熱貫流量の合計をを外皮面積の合計で割って平均熱貫流率を求める。

という流れで計算をしますが、今回登場した「仕様ルート」外皮面積を求めず、あらかじめ用意された各部位の固定値にカタログ等から転記する熱貫流率をかけて値を求めます。

一次エネルギー消費量計算も、大幅に省略できる形での計算方法となるようです。(下図参照ください)

 

外皮計算で一番面倒な面積拾いをしなくて済むというある意味合理的なもので、外皮計算をよく知らない、自分でできないという方々にとっては朗報かもしれません。

 

「仕様ルート」のデメリット

ところが、簡易計算にはそれなりに問題点を指摘する声もありまして、

ホームズ君を開発したインテグラルさんは仕様ルートについてこのように述べています。

  • 計算結果は必ずしも安全側に出るとは限らない。
  • 計算結果の差異はUA値で最大0.28、ηAC値で最大1.9となった。
  • ηAC値は開口率が大きい方が差異が大きく出る傾向にある。
  • 建築的工夫(外付けプラインド、庇、方位)などは考慮されない。

インテグラルHPより

 

省エネ基準に適合しているかどうかの判断材料としてはOKかもしれないけど、外皮計算の本来の役割としては物足りない。

 

外皮計算のそもそもの目的とは

外皮計算はなんのためにするんでしょう?私が考えるそもそもの目的は次の通りです。

  • 建物の断熱性能を把握して、ミニマムな冷暖房設備の設計を可能にする。
  • 断熱性能を高める計算をして、環境負荷の少ない建物をつくる一助とする。
  • 結露のない、快適な居住環境を建て主に提供する目安とする。

正確な計算ができて初めて冷暖房設備の的確な選定が可能になり、余分なエネルギーを使わずに快適に暮らせる環境が実現できます。外皮計算とは突き詰めればそのためにあるのであって、Gなんとかにする、補助金を得るというのはあくまでも結果としてそうなるというもので、それが目的ではない訳です。

 

まとめ

  • 外皮計算には大きく分けて、「標準」「簡易」「モデル」「仕様」の計算ルートがあります。
  • 「仕様」ルートは係数を使い、簡単に結果を求めることができ、基準の適否判断には使えます。
  • 「仕様」ルートは安全側に出なかったり、標準計算との差異が出たり、建築的な工夫が反映されません。
  • 外皮計算は①適切な設備設計のため②住宅の環境負荷低減のため③より快適な居住環境の実現のため。

目的によって計算方法を使い分けるのが良いのかもしれません。

さて、「仕様ルート」に対して本来の「標準ルート」での計算があります。これはまた別の記事でお伝えしますね。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

◎ホームズ君での計算はこちらで。

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