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基礎外周Ψ値の計算について3

基礎外周の計算方法

基礎土間外周の熱損失量は他の部位のように熱貫流率×厚みで計算するのではなく、

Ψ値×長さで求めます。当然、Ψ値の大小は熱損失の大小に直結します。

計算の仕方には大きく分けて2つあります。

①基礎形状に依らない固定値0.99

②基礎形状と断熱方法によって個別に計算

計算方法の違いにより、全体のUA値に影響があるのは以前よりお伝えしている通りです。

基礎外周Ψ値の計算について1

Ψ(プサイ)値の計算プログラムが公開されたようなので、解説します。 基礎外周の熱損失 基礎の熱損失計算は「基礎壁」と「外周部土間」の2つに分けて計算することになっています。 「基礎壁」は外壁同様、断熱 ...

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基礎外周Ψ値計算について2

「基礎外周Ψ値の計算について1」では、 基礎形状に依らない方法での値が"0.99"であること 床断熱の場合はそれでよいかもしれないけれど、基礎断熱の場合だと損失が大きすぎること それを回避するために、 ...

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基礎外周の計算方法の違いとUA値への影響

建坪50坪の実例で比較してみます。

熱損失の割合は普通です。基礎断熱ではありますが、立上り外側にパフォームガード(EPS)を90mmと

しっかり断熱してあります。

ところが土間外周については損失の割合が比較的大きくなっています。

これは、基礎土間外周の熱損失を「基礎形状に依らない 0.99」で導いた数値です。

土間外周の損失が全体に占める割合が18.8%にも上っていることがお判りいただけると思います。

 

実際には基礎の立上り外側にEPSが90mm、土間面の底板前面にスタイロフォーム50mmを敷設します。

これを計算で導くと「0.47」という数値が求められます。

M=0.09/0.034=2.64      O=0.05/0.028=1.79       Q=全面より

ここで基礎外周の長さが46mありますので、

①基礎形状に依らない「0.99」の場合 → 46m×0.99=45.54

②寒冷地の参考計算の「0.47」の場合 → 46m×0.47=21.62

となります。やはりここでも計算方法の違いによって、熱損失量が倍以上違うことが見て取れます。

外皮の総面積は462.41㎡です。

①UA値 =   熱損失の合計 145.4/462.41  =    0.32

②UA値 =   熱損失の合計 121.5/462.41  =    0.27

ということになり、基礎土間の熱損失計算方法の違いによって、UA値に0.05W/㎡kの差が生じました。

 

まとめ

基礎形状と計算方法の違いがUA値に与える影響があり、基礎断熱なら尚更影響は大きくなります。

条件によって使える計算方法は異なり、形に当てはまらないとその計算は使えません。

形に該当すればΨ値の改善は大きく、UA値で0.05ポイント変わる例も。

できれば、規定値の0.99ではない方のシートを用いるか、公開されているソフトを使い、数値の向上を図りたい。

 

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