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基礎外周Ψ値計算について2

「基礎外周Ψ値の計算について1」では、

  • 基礎形状に依らない方法での値が"0.99"であること
  • 床断熱の場合はそれでよいかもしれないけれど、基礎断熱の場合だと損失が大きすぎること
  • それを回避するために、"定常二次元電熱計算により導かれた代表値”を採用していること

をお伝えしました。

基礎外周Ψ値の計算について1

Ψ(プサイ)値の計算プログラムが公開されたようなので、解説します。 基礎外周の熱損失 基礎の熱損失計算は「基礎壁」と「外周部土間」の2つに分けて計算することになっています。 「基礎壁」は外壁同様、断熱 ...

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定常二次元電熱計算の条件とは

但し、定常二次計算には実は条件があります。

温暖地で基礎立上り内側断熱の例を挙げますと、「根入れの深さ」の項目で300mm以下であることとあります。

これ以上根入れの深さが深いと、いくら土間上に断熱をしていても損失は否めないという意味と受け取れます。

一方、寒冷地で基礎立上り外側断熱はというと根入れの深さは、500mm以上であることが条件です。

温暖地とは逆に外側の断熱は少しでも深い方が良いということになりましょう。

ただ、”寒冷地”と”温暖地”の区別の記載がどこにもなく、

どこからが”寒冷地”でどこからが”温暖地”なのかよくわかりません。

 

また、実際にあったのですが、基礎断熱の根入れが400mmで断熱は内側というパターン。

これだと内側の断熱で「300mm以下」に抵触してしまい、定常二次計算は使えないことになってしまいます。

そうなるとせっかく基礎壁にも土間上にもスタイロフォームを50mmとか100mm断熱しても、まったく評価に

乗ってこないことになります。

 

待望のプログラムだけれど・・・

そこへもってきて、今回のプログラム公開です。

前述のように基礎断熱を施してあるけれど、定常二次計算に乗ってこないケースなども拾えるはずです。

プログラムの存在は知っていましたが、ずっと未公開で今回ようやく公開になりました。

省エネ計算Webプログラムの入口のページの下の方にリンクがあります。

 

使い方についてはマニュアルをご参照下さい。

ブロック状になっているマスをそれぞれの物性ごとに塗り替えるようなイメージです。

これですと、根入が深くとも浅くとも、内側断熱でも外側断熱でも、なんなら両側の断熱も

全て評価に乗せることができそうです。

 

例えば、基礎立上り内側、土間外周900mmにスタイロフォームを各100mm、値入れを240mmで

ソフトを操作してみます。

すると右上に「0.46W/(m・k)」という値が導かれたことがわかります。

但し、これがあっているのか、認定申請に使えるのかどうか、確認が必要です。

PDFでの出力もできますので、使えるとは思うのですが・・・。

 

まとめ

 

・定常二次計算に加え、WebプログラムでもΨ値の計算ができるようになりました。

・定常二次計算で制約のあった基礎形状でも計算が可能になりました。

・運用については要確認です。

 

今、実際に性能評価を申請中の案件がありまして、このプログラムでの計算結果にて審査依頼中です。

結果がわかりましたら、またお知らせしますね。

 

このような、少々複雑な省エネ計算のあれこれも学べます。↓

温熱住宅マスタープログラム

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