従来の次世代住宅ポイントがより充実した形となって実施の予定です。
今回は2020年12月15日国土交通省から発表があった『グリーン住宅ポイント』について詳細を解説します。報道資料はこちら。
グリーン住宅ポイントとは
制度の目的
高い住宅性能を有する住宅を取得する物等に対して、様々な商品や追加工事と交換できるポイントを発行することにより、住宅投資を喚起し、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図る。
対象住宅のタイプ
対象となる住宅は以下の通り。
- 新築住宅(注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入)
- 既存住宅の購入
- リフォーム
- 賃貸住宅の新築
グリーン住宅ポイントの特徴
新しい『グリーン住宅ポイント』にはいくつか特徴があります。
特徴
- 新築は最大で40万ポイント、条件を満たせば100万ポイント
- 「新たな日常」等に対応した追加工事にもポイントを交換可能。
- 若者・子育て世帯がリフォームを行う場合等にポイントの特例あり。
グリーン住宅ポイントの要件とは
新築住宅と分譲住宅の要件とポイント(共通)
高い省エネ性能を有する住宅 | 一定の省エネ性能を有する住宅 | |
ポイント | 400,000P | 300,000P |
要件 | 認定長期優良住宅 | 断熱性能等級4
かつ一次エネルギー消費量等級4 |
認定低炭素住宅 | ||
性能向上計画認定住宅 | ||
ZEH | ||
ポイント加算 | 600,000P | 300,000P |
ポイント加算要件 | (い)東京圏からの移住のための住宅 | |
(ろ)多子世帯が取得する住宅 | ||
(は)三世代同居仕様である住宅 | ||
(に)災害リスクが少ない地域からの移住である | ||
最大ポイント | 1,000,000P | 600,000P |
既存住宅の要件とポイント
- 空き家バンク登録住宅 30万ポイント
- 東京圏からの移住のための住宅 30万ポイント
- 災害リスクが高い地域からの移住のための住宅 30万ポイント
- 住宅の除去に伴い購入する住宅 15万ポイント
なお既存住宅のポイントは重複可能で7パターン存在します。
- 空き家バンク住宅 30万
- 東京圏から移住 30万
- 災害地域から移住 30万
- 住宅除去関連 15万
- 住宅除去に伴い空き家バンク登録住宅を購入(①+④) 45万
- 住宅除去に伴い東京圏から移住する場合(②+④) 45万
- 住宅除去に伴い災害地域から移住する場合(②+④) 45万
リフォーム工事の要件
次の①〜⑥のいずれかに該当すること
- 開口部の断熱改修
- 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
- 耐震改修
- バリアフリー改修
- リフォーム瑕疵保険等への加入
そのうち①〜③は必須で④〜⑥は任意です。
リフォーム工事のポイント数
発行ポイントの上限
世帯 | 既存住宅を買う/買わない | 上限ポイント数 |
若者・子育て世代 | 既存住宅を購入してリフォーム | 60万ポイント |
既存住宅を購入せずリフォーム | 45万ポイント | |
若者・子育て世帯以外 | 安心R住宅を購入してリフォーム | 45万ポイント |
安心R住宅を購入せずリフォーム | 30万ポイント |
※若者世帯は40才未満、子育て世帯は18才未満の子を有する世帯
※既存住宅の購入は100万円以上(税込)で自ら居住すること
発行ポイント対象
いずれか必須 | ①開口部の断熱改修 | 工事内容に応じてポイントを設定 | ⑦既存住宅購入加算
①〜⑥のポイント数を2倍とする。 |
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 | |||
③エコ住宅設備の設置 | |||
任意 | ④バリアフリー改修 | ||
⑤耐震改修 | 15万ポイント/戸 | ||
⑥リフォーム瑕疵保険等への加入 | 7000ポイント/契約 |
①開口部の断熱改修のポイント
大きさの区分 | ガラス交換 | 内窓設置、外窓交換 | ドア交換 | |||
面積 | ポイント数 | 面積 | ポイント数 | 面積 | ポイント数 | |
大 | 1.4㎡以上 | 7,000P | 2.8㎡以上 | 20,000P | 開戸1.8㎡以上引戸3.0㎡以上 | 28,000P |
中 | 0.8〜1.4㎡ | 5,000P | 1.6〜2.8㎡ | 15,000P | - | - |
小 | 0.1〜0.8㎡ | 2,000P | 0.2〜1.6㎡ | 13,000P | 開戸1.0〜1.8㎡引戸1.0〜3.0㎡ | 24,000P |
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修のポイント
外壁 | 屋根・天井 | 床 |
100,000P
(50,000P) |
32,000P
(16,000P) |
60,000P
(30,000P) |
※( )内は部分断熱の場合
③エコ住宅設備の設置の発行ポイント
種類 | ポイント数 |
太陽熱利用システム | 24,000P/戸 |
節水型トイレ | 16,000P/台 |
高断熱浴槽 | 24,000P/戸 |
高効率給湯機 | 24,000P/戸 |
節湯水栓 | 4,000P/台 |
④耐震改修の発行ポイント
旧耐震基準により建築された住宅を、現行の耐震基準に適合させる工事 150,000P/戸
⑤バリアフリー工事の発行ポイント
対象 | ポイント数 |
手すりの設置 | 5,000P/戸 |
段差解消 | 6,000P/戸 |
廊下幅等の拡張 | 28,000P/戸 |
ホームエレベーターの新設 | 150,000P/戸 |
衝撃緩和畳の設置 | 17,000P/戸 |
⑥リフォーム瑕疵保険等への加入
国土交通省大臣指定の住宅瑕疵担保責任法人が取り扱うリフォーム瑕疵保険および大規模修繕工事瑕疵保険であること 7,000P/契約
⑦既存住宅購入加算
以下の全てに該当する場合、①〜⑥の各リフォーム工事等のポイント数が2倍に
- 自ら居住することを目的に購入した既存住宅であること
- 令和2年12月15日以降に売買契約を締結したもの
- 売買金額が100万円(税込)以上であること
- 売買契約から3ヶ月以内にリフォーム工事の請負契約を締結すること
賃貸住宅の要件
以下の二つに該当する賃貸用の共同住宅であること
- 建築物省エネ法に基づく住宅トップランナー制度の賃貸住宅にかかる基準に適合する
- すべての住戸の床面積が40㎡以上
100,000P/戸
グリーン住宅ポイントの交換
賃貸住宅以外の注文新築・分譲新築・中古住宅購入・リフォームについて取得ポイントを一定の要件に適合する商品および追加工事に交換が可能。
- 「新たな日常」に資する商品
(ワークスペース設置、音や空気環境向上工事、菌・ウイルス拡散防止工事など)
- 省エネ・環境配慮に優れた商品
- 防災関連商品
- 健康関連商品
- 家事負担軽減に資する商品
- 子育て関連商品
- 地域振興に資する商品
グリーン住宅ポイントのポイント加算とは
今回の特徴である『ポイント加算』を詳しく記します。
- 東京圏(条件不利地域を除く。)とは東京・千葉・神奈川・埼玉です。
- 多子世帯とは18才未満の子3人以上。
- 三世代同居仕様とは住戸内に調理室、浴室、便所又は玄関のうちいずれか2つ以上が複数箇所ある住宅。なお、 住戸内で行き来ができない、いわゆる二世帯住宅は、別住戸であるため該当せず。
- 災害リスクが高い区域→土砂災害警戒区域など
省エネ性能を満たし、かつ上記要件に該当する場合、60万Pか100万Pが適応となり、次世代住宅ポイントからは大幅UPとなりました。
グリーン住宅ポイントの申し込み期間は?
期間は令和2年12月15日~令和3年10月31日
期間内に工事請負契約を締結し、別途定める期間内にポイント発行申請、完了報告が可能なものとあり、
条件は絞られていきますし、スケジュールもなかなかタイトです。
ポイント発行申請
ポイント発行申請は、原則、工事完了後に行います。
- 「注文住宅の新築」
- 「新築分譲住宅の 購入」
- 「リフォーム(請負契約額が 1,000 万円(税込)以上のものに限る。)」
- 「賃貸住宅の新築」
については、工事完了前であっても、申請に必要な書類が整い次第、ポイント発行申請を行うことができます。
その場合、工事完了後に完了報告の提出が必要。
完了報告書類が提出されない場合には取得したポイント相当分を返還義務あり。
ポイント発行申請期間 : 準備が整い次第開始
(開始時期について、令和3年2月頃公表予定)
まとめ
- 要件は「高い省エネ性能」(長期優良、ZEHなど)が40万P、
- 「一定の省エネ性能」(断熱性能等級4一時エネ同4)が30万P
- 東京圏から外へ移住など4つの要件に合えば60万Pか30万Pが加算される
- 申し込み期間はR2.12.15〜R3.10.31
- 中古住宅購入以外は工事完了前のポイント発行申請が可能
- 発行申請期間は今後発表
最後までお読み下さり、ありがとうございます。