ここのところ、認定低炭素住宅やグリーン住宅ポイントの申請をする中で気づいたこと
それは「木製玄関ドアの評価が低すぎる!」ということです。
認定に至るまでの道筋
認定低炭素住宅もグリーン住宅ポイントも認定に至るにはそれなりの段取りと手続きが必要です。
例えば認定低炭素住宅を例に挙げると、要件である外皮性能温熱等級4、一次エネルギー消費量のBEI 90%以下、
使用する省エネ設備機器が一つ以上あること、木造住宅であることなどを、書類で申請し、認定をもらいます。
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1外皮計算等を第三者機関に提出、対象住宅である証明書を発行してもらう
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2第三者評価機関による「認定低炭素対象住宅証明書」の発行
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3「認定低炭素住宅証明書」に基づく行政による認定
これでようやく認定が取得できます。認定低炭素住宅のメリットはこちらをご参照ください。
グリーン住宅ポイントの場合、さらにここからグリーン住宅ポイント事務局に申請手続きをしなければなりません。(泣)
外皮計算で各部位の熱貫流率が必要
温熱等級4をクリアしていることの証明で外皮計算が求められます。
外皮計算の際、各部位の熱貫流率の根拠を添付しなければなりません。
例えば、外壁なら断熱材の材料・厚み・壁を構成する他の部材のそれぞれの材質・厚みから壁全体の熱貫流率を計算します。
物性値の根拠がない場合、大変なことに!
主な断熱材は物性値が決まっていますので厚みが決まれば、熱貫流率は計算できます。
開口部については、JIS規格に添った形で試験がなされていれば問題なく、一覧にある物性値を使うことができます。
一覧にあるということは、JIS規格での性能試験を経たものであると同義です。
最新の省エネテキストです。これによると窓・ドアの熱貫流率について求める方法は以下の4通り
方法1の「表」とはこちら↓
でこの表の中に「木製ドア」という表記がないじゃないですか!!
「金属製又はその他」のカテゴリーで数値を追っていくと・・・ガラスがあってもなくても 6.51W(泣)
ちょっと待った、方法2があるじゃないですか。
「簡易計算法で求める」求めてみましょう。簡易計算法とは「JIS規格で定められた計算式だそうです。
そのJIS規格がこちら↓
全然簡易じゃない・・・けれど6.51Wよりは良い数値が出るでしょうという確信のもと、
値を代入していきます。↓
現物ドアの断熱はスタイロフォーム25mmの断熱なので、特段良いとは言えませんが、それでも6.51Wにはならないでしょう。
計算結果である4.88Wを審査機関に提出し、数値の根拠として認めてもらいました。
まとめ
- 木製玄関ドアの評価がJIS試験をしていなければとんでもなく低い数値として評価されてしまう。
- これは実は木製サッシも同じことです。
- JIS規格に沿った形で計算した数値が根拠として認められるので、頑張って計算してみました。
- 計算の過程も含め審査機関に提出で根拠として認められました。
ちなみに方法3 「ポータルサイトから求める」は住宅性能評価協会のページに飛び、同じ表が出てきます。
方法4「メーカーカタログ等」もやはりJIS試験を受けていない限り、熱貫流率をカタログに記載するのは無理です。
JIS試験って100万円単位でお金がかかります。
大手メーカーじゃないとそのような試験するのは実際難しいでしょう。
何らかの思惑を感じないでもありませんが、
今のところ、地道に計算するしかないです。モヤモヤ。