ここでは主に健康面でのメリットについて、ご説明しますね。
寒い家がもたらす健康への影響とは
住宅の断熱気密が不十分であることが、様々な病気や病気の元になっているかもしれない
という研究や調査の結果があります。寒い家がもたらす健康面の影響をまとめました。
WHO(世界保健機構)冬期間の室温を18℃以上を強く勧告
冬期間の室温が18℃を下回ってくると様々な疾病リスクが高まるという認識ですね。
イギリスの保険省(日本の厚生労働省)でも18℃は最低推奨温度とされています。
不動産においてもこの温度が取引に影響したりするそうです。
ところが、いままでの日本の住宅は18℃をキープするのが難しいようです。
それから、地域別で実は温暖といわれる地域でも冬期間の死亡増加率が大きいのです。
これは冬期間の外気温に死亡増加率との関係がなく、むしろ住宅の持つ気密・断熱性能に原因があるとも取れる現象です。
血圧は健康維持にとって大きな要因で、厚生労働省は血圧を4mmHG下げられれば脳卒中で死亡する人を10,000人、冠動脈疾患で死亡する人を5,000人なくせるという研究結果を報告しているほどです。
室内の温度が高いとヒートショックなどの温度差リスクがないため、不必要な血管の収縮・拡張がなく心臓への負担軽減になり、血流が安定、結果としてコレステロールも貯まりづらいなどです。
また、温度が高いと睡眠にも良い影響があるようです。
それ以外にも暖かいことで活動量が増え、脳年齢に良い影響があったり、子供の健康維持にも良い影響があることも報告されています。
住宅の断熱に投資したコストの回収期間が早まる!?
温熱環境が良い → 病気になる頻度が少ない → 医療費の削減につながる → 断熱コスト回収計算に加味する
まとめ
暖かい住宅の良いところ
- 住宅が寒いことが様々な疾患の遠因になっている可能性がある。
- WHOでは冬期間の室温を18℃にすることを強く勧告している。
- 暖かい住宅に住む人は寒い住宅に住む人に比べ、健康診断の結果が良い。
- 睡眠の質が向上し、翌日のパフォーマンスの向上やいびきの解消になる。
- 活動量が多いと認知症の予防、子供の健康状態の良好さにつながる。
- 暖かい家の便益は医療費の軽減で、断熱投資コスト回収期間の短縮になる。
いかがでしたでしょうか。冬期間の住宅の温度が高いことで様々な「良いこと」があります。
また、今まで述べた理屈はもちろん、シンプルに「暖かい」と感じられることと「幸せ」という気持ちは結構同じだったりしますね。
※スライドは国土交通省 スマートウェルネス住宅推進事業住宅宅地分科会2019.12.23慶應大学伊香賀教授資料より