断熱性能等級におけるZEH水準を上回る等級6・7が設定される!?
『脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ基準の見直しについて』というタイトル
で国土交通省・環境省・経済産業省の3省合同会議が随時開催されています。
国土交通省より「戸建て住宅のZEH水準を上回る等級の設定について」という文書が
提示され、公開されました。(令和3年11月4日)
タスクフォースでいろいろあったり、地方自治体の取り組みが等級4を大きく上回る水準で
運用されていたりとさすがに国のレベルとして「もう一声」という流れになりますね。
現在の等級4の上に、更に上のレベルの等級を設けましょうという主旨のようで
等級5 | 現在のZEH基準 |
等級6 | HEAT20のG2レベル |
等級7 | HEAT20のG3レベル |
民間基準であるHEAT20のG2、G3を等級6、7にというもののようです。
但し、5地域についてはそのまま(4地域と同じ)だと目安とした削減率よりも多く削減する
という理由で6地域と同じ基準を設定しています・・・寒くなければいいけど・・。
関東圏でも付加断熱が必要に!!
同時に断熱仕様の例も提示されました。
外壁の断熱では等級5(ZEHレベル)まではなんとか柱間の充填断熱だけでOKですが、
等級6では付加断熱が必要になってきます。窓もアルプラではNGで樹脂サッシ空気層12mm
が例示されています。
住宅の省エネ義務化とどう絡むかは不透明
住宅の省エネ基準については2025年に300㎡以下の小規模建築物(主に一戸建て住宅)
について基準適合を義務とする流れになっています。
ただ、上述の等級6・7と適合義務がどのように関連づけられるかは今のところ情報がなく、
今後の話し合いを待つ格好となります。
同時に低炭素住宅や長期優良住宅などの認定基準についても一次エネルギー消費量の
見直しが進んでいることを鑑みると今年のグリーンポイントのように性能の良し悪し
でランク分けされることになるのではないでしょうか。
等級4クリア | 30万ポイント |
認定低炭素住宅、長期優良住宅、ZEHなど | 40万ポイント |
まとめ
- 温熱等級6・7はHEAT20のG2・G3レベル同等(ただし5地域は別)
- 温熱等級6・7と義務化との関連は今の段階では不透明
- 認定制度や補助金はランクに応じたものになるのでは
義務化までは3年あります。
付加断熱をする前提での設計、収まり、施工スキル、販売価格への転嫁、
付加価値をユーザーに伝えるスキル、などのレベルアップを図りたいものですね。