省エネ基準への適合義務がスタートし、基本的に全ての建築物において省エネ基準への適合を求められるようになりました。
RC造戸建て住宅も例外ではなく、適合義務があります。
RC造戸建住宅には一般的な木造の住宅と違った特性があり、省エネ計算には多少の困難を伴います。
今回はそのようなRC造戸建住宅の省エネ計算のポイントを解説していきます。
目次
省エネ計算には①外皮性能②一次エネルギー消費量計算の2種類があり、さらにそれぞれ性能基準と仕様基準とがあります。

性能基準とはいわゆる標準計算のことで外皮面積を計算し、各部位の熱貫流率を求め、
熱損失量の合計を外皮面積全体で除して外皮平均熱貫流率(UA値)を求め、基準適合/不適合の判断をします。
尚、RC造の場合、熱橋の熱損失も計算に加える必要があり、その点で木造住宅と異なります。
一方で仕様基準では外皮面積を計算することはせず、躯体各部位の熱貫流率(U値)か熱抵抗値(R値)、
窓の熱貫流率(U値)と日射遮蔽の仕様で基準値を満たしているか判定をします。
一次エネルギー消費量計算における性能基準はいわゆる標準計算のことで、暖冷房・換気など設備の
仕様を入力し、Webプログラムを用いて詳細に計算をする方法です。
結果として一次エネルギー消費量の削減率1以下(等級4)かどうかで基準適合/不適合の判断をします。
一方の仕様基準は使用する設備が基準に合致しているかどうかで判定をします。
例えば冷暖房は(は)以上のエアコン、給湯はエコフィール、エコジョーズ、エコキュート
照明は全てLEDなど。


Webプログラム一次エネルギー消費量計算の画面。
仕様基準の場合上記のように「仕様基準により外皮性能を評価する」にチェック。→ 計算結果のUA値は0.87W/㎡k(6地域の場合)で評価されます。
外皮性能と一次エネルギー消費量のそれぞれに標準計算ルートと仕様基準ルートがあります。
以下に挙げる4つの組み合わせの中から選択をして評価することになります。
| ①どちらも標準 | ②どちらも仕様 | ③たすき掛け | ④たすき掛け | |
| 外皮 | 標準計算 | 仕様基準 | 標準計算 | 仕様基準 |
| 一次エネ | 標準計算 | 仕様基準 | 仕様基準 | 標準計算 |

①②は従来からあった評価方法ですが、2023年10月から③の外皮は仕様ルートで、
一次エネは標準計算でといういわゆる「たすきがけ」が認められるようになりました。
3つの評価方法のうち②の両方仕様基準の場合のみ建築確認申請の際、省エネ適合判定は不要です。
①と③は適合判定が必要です。
RC造一戸建て住宅の場合、特に大開口を多用するなどで損失が大きい傾向にあり、
外皮を標準計算で計算するとまともに数値が出てこないケースも散見されます。
そのような場合に、たすき掛け(外皮を仕様基準で一次エネを標準計算)が有効です。
少なくとも外皮を仕様基準で評価出来れば業務の大幅な効率化が可能となります。
省エネ性能の適合判定は基本的に国交省の登録機関である第三者認証機関が行います。
設計図書の他、申請書、設計内容説明書、省エネ計算書などを揃えて適合判定申請を行います。
申請を受け、機関では省エネ計算の結果数値基準を満たしているか、計算自体が妥当か、
計算に間違いがないかなどを審査し、設計者との3~4回の質疑応答を経て適合判定をし、
合格ならば適合判定通知書を発行します。
確認申請時に省エネ適合判定が必要となる(確認申請先が適合判定先と同じ場合は同時で可)
ことから適合判定を受ける時間を考慮したスケジューリングが必要です。
確認申請では、申請時に省エネ適判通知書を同時に添えて申請をするとスムーズに手続きが進みます。
いくつかの省エネ適判免除を除き、省エネ適合していることが建築許可を得る条件となりますので、
少なくとも確認申請後すみやかに提出したいところです。

RC戸建住宅が一般多岐な木造住宅と違う点は「熱橋」の計算が必要になるところです。
RC造ではコンクリートの躯体が断熱層を貫通する箇所が熱橋となります。
各取り合い部で生じる熱橋による熱損失は、熱橋の長さ×線熱貫流率×温度差で求めます。
仕様基準においては熱橋部の断熱補強が必ず必要になります。

RC住宅であるということは多くの場合、大きな窓を出来るだけ設けたいのが本音ではないでしょうか。
カーテンウォール等規格品ではなく造作窓の場合、数値資料がありませんので、国土交通省の技術資料から
U値、η値の数値根拠を求めることが必要となります。
窓のU値については①部位別熱貫流率表から求める②簡易計算式で求めるの2通りがあります。
①部位別熱貫流率表

②簡易計算方式

日射熱取得率η値は下記表などで求められます。

※表はいずれも「住宅の省エネルギー基準と評価方法2024」より抜粋
省エネ義務化以前は、「ラフ設計→省エネ検討→実施設計」の流れで問題ありませんでした。

2025年4月省エネ適合が義務になると、仕様決定後に省エネ計算をした結果、
数値が未達だった場合に、再度仕様の検討に戻らなければなりません。
仕様や設備の再検討が積算や工程スケジュールに影響してしまいます。

ラフ設計の早い段階から省エネ計算をスタートさせることができれば、基準適合に必要な断熱や窓の仕様を
把握した上で設計と積算をし、その後の段取りをスムーズに進めることができます。

いかがでしたでしょうか。
RC造戸建住宅の省エネ適判はなかなか複雑で、キャッチアップが大変です。
よかったら是非ご相談くださいませ。
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前回の記事ではアパート・マンション等の共同住宅について省エネ基準適合が義務になることについて解説をしました。
今回は4月からスタートするアパート・マンションにおける省エネ性能適合義務について解説します。 届出制度そのものが廃止となり、全てが適合判定義務の対象となります。 アパート・マンションの省 …
続きを見る
今回はその省エネ計算の実例をご紹介します。
アパート・マンション等の共同住宅は「住宅」のカテゴリーに属し、省エネ基準は外皮基準と一次エネルギー消費量基準に分かれており、
一般住宅同様それぞれ基準適合が必要になります。
また、評価の方法として標準計算と仕様基準があり(従来の簡易計算・モデル住宅法・フロア入力法は廃止)
評価方法として以下の4種類のパターンが有効です。
| ①両方仕様基準 | ②両方標準計算 | ③混在 | ④混在 | |
| 外皮性能 | 仕様基準 | 標準計算 | 仕様基準 | 標準計算 |
| 一次エネルギー消費量 | 仕様基準 | 標準計算 | 標準計算 | 仕様基準 |
①の場合で確認申請書類に全ての住戸が仕様基準に適合している旨記載がある場合のみ、省エネ適合性判定が不要となります。
それ以外の②~④についてはどれか一つでも標準計算が存在すると省エネ適合性判定の対象となります。
以上 住宅の省エネルギー基準と評価方法2024 共同住宅等Q&Aより
アパート・マンション等共同住宅の省エネ計算について実際の例で解説します。
ここでは②外皮・一次エネ共に標準計算で行う場合の解説をしていきます。
全体の流れは以下の通りです。
step
1全ての住戸の外皮計算を行う
step
2全ての住戸の一次エネルギー消費量計算をする
step
3共用部分の一次エネルギー消費量計算をする
step
4集計する
大きな流れとしては上記のようになっており、共用部について計算に加算するしないは任意です。
また、ZEHマンションなどでは屋上に搭載された太陽光発電を各部屋のエネルギー消費量に
按分するなどの作業が必要となりますが、それはまた別の機会に。
部位U値計算シートは木造用・RC造用共用のエクセルフォーマットですが、
シートが木造用・RC用で分かれていますので、どちらかを選択します。

外皮計算書に入力する前に、建具表や仕様書でそれぞれの面積・窓メーカーや型番・品番を確認し、
自己適合宣言書などで窓・玄関ドアのU値を把握しておきます。

共同住宅の場合、界壁があります。外皮面積には参入しますが、住戸間の熱の損失はないものとみなされる点に注意が必要です。
面積計算を図面に記しておき、後の審査に備えます。

外皮計算書の入力項目として必要なそれぞれの面積・長さなどを図面に記入しておきます。

部位U値計算シートや外皮面積などこれまで用意した数値を外皮計算書に全戸分入力し、それぞれのUA値ηAC値ηAH値を把握します。
一覧表にしておくと便利です。


全ての住戸についてあらかじめ居室の用途別面積を明確にしておくと便利です。


共用部は住宅用のエネルギー計算プログラムではなく、非住宅用のプログラムを使います。
用途にもよりますが、一般的なアパート・マンションの場合、概ね照明・エレベータ・太陽光発電が
計算対象となりますので数値根拠を用意し、入力します。


住宅と共用部の一次エネルギー消費量計算書をPDFで揃え、集計プログラムにアップロードすると、
全体の外皮計算結果、一次エネルギー消費量の計算結果が集計された状態で出力されます。


以上が共同住宅の省エネ計算の実際です。適合判定審査には以下の書類を提出します。
・元の意匠図面
・集計プログラムの結果シート(外皮・一次エネ両方の数値が記載されています)
・面積・長さ根拠となる図書
・自己適合宣言書などのメーカー資料
いかがでしたでしょうか。
共同住宅は基本的には住宅のカテゴリーなので計算方法自体は住宅と同じなのですが、
界壁や上下階の扱いなど違う部分もあり、注意が必要です。
また、省エネ計算周辺の改正前からルールが変わったりしていてなのか(フロア計算法や住棟単位の計算・住戸間の熱損失の取り扱いが廃止)
現在国土交通省のオンライン講座や資料ライブラリーにそのマニュアル的なものが見当たりません。
そんな中でも共同住宅も義務化の対象となり、省エネ適合義務化はスタートしました。
実務にあたってはマニュアルがなく、困ったことになっている方もいらっしゃるかもしれません。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
※情報は2025年3月29日現在のものです。最新の情報は国土交通省HP等でご確認いただきますようお願い致します。
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今回は4月からスタートするアパート・マンションにおける省エネ性能適合義務について解説します。
届出制度そのものが廃止となり、全てが適合判定義務の対象となります。
新基準では、すべての新築建築物が省エネ基準適合義務の対象となります。
特に注意したいのは、床面積300m²以上の共同住宅もその対象となる点です。
これまで300㎡以上(中規模)と2000㎡以上(大規模共同住宅)の住宅(アパートやマンションなどの共同住宅を含む)について、
省エネ関係の法規は、「届出」が義務付けられていたものの、省エネ性能の基準適合自体は義務ではありませんでした。
それが4月以降は「省エネ適合」が義務に変わります。

・~4月 ⇒ 「届出」・・・・省エネ性能について法的な強制力なし
・4月~ ⇒ 「適合義務」・・省エネ性能基準適合が義務
一番のポイントは、「基準に適合していない場合、建築許可がおりない」点です。
適合基準には、以下の2つの要素があります。
◎一次エネルギー消費量(BEI):BEIを1.0以下に抑える必要があります。
これは、冷暖房換気給湯照明など建物全体のエネルギー効率を示す指標です。
◎外皮性能:UA値(外皮平均熱貫流率)とηAC値(平均日射熱取得率)が、地域に応じた基準値以下である必要があります。
これらは、建物の断熱性能と日射遮蔽性能を示す指標です。
省エネ基準への適合評価方法には、主に2つの方法があります。
仕様基準は作業としては比較的簡単で、且つ適判手続きが不要ですが、
断熱箇所でひとつでも弱いところがあるとNGだったり、使う設備に縛りがあったり(床暖房NG)など
設計の自由度が低くなります。
一方、標準計算は複雑で、登録第三者認証機関による適合審査を含む適合判定手続きが必要ですが、
より柔軟な設計が可能です。
実際には案件の特性に応じて、仕様基準と標準計算を使い分けることも考えられます。
新基準の施行に伴い、建築確認申請の手続きも変更されます。

適合判定が必要な標準計算の場合、建築確認申請と同じタイミングで、第三者認証機関か行政庁の「適合判定通知書」を提出する必要があります。
つまり、確認申請に先立って省エネ計画を固め、審査も終えておく必要があるということです。
実際には、省エネ計算をする⇒計画書を作成する⇒登録機関(or行政)で審査を受ける⇒確認申請へという流れとなります。
適合判定を必要としない「仕様基準」で評価する場合や設計性能評価を取得する場合、
長期優良住宅の認定を受けた場合などの場合は以下のスキームとなります。

標準計算、仕様基準のどちらとも完了検査の際、申請時の省エネ性能が確保されているかの検査があります。
施工中の断熱材などは、計算書通りのものが施工されているかどうかを写真などで確認しますので、施工写真はマストとなります。
・4月以降は新築アパート・マンションも全て省エネ適合が義務となります。 ・評価方法には簡単で適判手続きの不要な「仕様基準」と複雑で適判手続きが必要な「標準 計算」の2種類があります。 ・確認申請周辺の手続きも、変わりますので注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。
4号建築物がなくなり、アパート・マンションも全て新2号建築物となります。
構造だけでなく省エネの側面からもよりシビアな性能を求められるようになり、手続きも少々煩雑になります。
次回はアパート・マンションの省エネ計算の具体的な例をご紹介します。
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こんにちは、今回はエコワンの価格比較と補助金情報をお届けしていきます。
ユーザーの皆様は購入の参考に、プロの皆様には主に、省エネ計算時Webプログラムでの入力のガイドとしてお読み下さいませ。
・エコワンの価格比較
・エコワンの一次エネルギー消費量計算Webプロ入力ガイド
・エコワンの一次エネルギー消費量のタイプ別比較
・エコワンの補助金情報

エコワンは記事執筆時(2024年4月20日)確認できただけで、33機種あります。
価格だけの比較で言うと一番安いもので848,100円(税込)一番高いものは1,347,060円(北海道仕様、税込)
まで約50万円もの差があります。
大きな分類として以下の3種類に分類されます。
①ECO ONE(160Lのタンク一体型)でダブルハイブリッド
②ECO ONE(160Lのタンク一体型)でシングルハイブリッド
②ECO ONE X5(70Lのタンク別置型)シングルハイブリッド
あとは暖房能力の違いや、ウルトラファインバブルやマイクロバブルといった給湯・お風呂の付加機能で枝分かれするものです。
ダブルハイブリッドは暖房も給湯も電気ヒートポンプとガスの併用です。
シングルハイブリッドは暖房はガスのみ、給湯は電気ヒートポンプとガスの併用です。
エコワンについてはこちらの記事もご覧ください。
「エコワン」ハイブリッド給湯・暖房システムとは ハイブリッド給湯・暖房システムとはガスのパワーと電気の効率の両方のいいとこ取りの機器のことです。2010年にリンナイから「エコワン」が発売 …
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一次エネルギー消費量計算のWebプログラム エコワン入力ページ
一次エネルギー消費量計算の際、エコワンの入力が結構複雑で困っていませんか?
画面の横幅が固定されている割に、改行が微妙で何のことだか分からなくなりがちです。
少しでも入力のお助けになればと思い、以下のチャートを作ってみました。
ここでは電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯温水暖房機のことを「エコワン」とし、
電気ヒートポンプのことを「HP」とします。

はじめの選択肢は4つ。
①暖房:HPとガス 給湯:ガス 貯湯タンク:あり
②暖房:HPとガス 給湯:ガス 貯湯タンク:なし
③暖房:HPとガス 給湯:HPとガス
④暖房:ガス 給湯:HPとガス
①と②は貯湯タンクが熱源機と別置きになっている機種のことでリンナイで言う「ECO ONE X5」です。
③と④は貯湯タンクが一体型であるノーマルタイプの「ECO ONE」です。
①②の「ECO ONE X5」は貯湯タンクの設置場所が屋内か屋外かくらいの選択で入力終了です。
③④の「ECO ONE」はダブルハイブリッドの場合タンク容量が160リットル以上か以下かの選択です。
記事執筆時(2024/4/20)ダブルハイブリッドは全て160リットルなので「160リットル以上」の選択となります。
シングルハイブリッドについては「品番を指定する/しない」を選んでいきます。「指定しない」場合、
冷媒ガスがフロンかプロパンかを選択、フロンの場合更にタンク容量が95L以上か95L未満かを選択します。
また「指定しない」場合のもう一つに「パラメータを入力する」とあります。これは性能値の詳細数値を入力するのですが、
実際には「住宅性能表示評価協会」の「温熱・省エネ設備機器ポータルサイト」に選択肢があり、そちらから選択していきます。
「品番を選択する」場合、シンプルにプルダウンから選択をします。ノーリツが4機種、リンナイが16機種ラインナップされています。
一次エネルギー消費量に関する記事はこちらもどうぞ
長期優良住宅やBELS、ZEH認定で一次エネルギー消費量が基準に届かない、そんなことはありませんか? Webプログラム上で規定値ではなく細かく数値を入力していくことが必要ですが、どの数値が一番有効かは …
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比較はなかなかむずかしく、目安としてお考え下さい。
<条件>
5地域、30坪平屋、UA値:0.44W/㎡k、ηAC1.8、ηAH1.5
エアコン:主たる居室もその他の居室も(は)、床暖房は敷設率80%、上面放熱率87%
ベースをエアコン冷暖房+エコキュートとし、そこから比較。
<比較>
①エアコン冷暖房、エコキュート
②X5(タンク70L、シングルハイブリッド)屋外
③X5(タンク70L、シングルハイブリッド)屋内
④X5(タンクなし、シングルハイブリッド)
⑤ダブルハイブリッド タンク160L未満
⑥ダブルハイブリッド タンク160L以上
⑦シングルハイブリッド タンク95L未満
⑧シングルハイブリッド タンク95L以上

※5地域、30坪平屋、UA値:0.44W/㎡、ηAC値:1.8、ηAH値:1.5、床暖房敷設率80%、上面放熱率87%
結果はタンク容量に関わらずダブルハイブリッドのエネルギー消費量が一番少ないというものでした。
その次にシングルハイブリッド。但し、暖房方式がエアコンと床暖房で変わると基準一次エネルギー消費量も変わるため、
結果は参考程度にお考えいただければと思います。
また、Webプログラムは単なるエネルギー消費量の計算でしかなく、エネルギー消費の少ない住宅が必ずしも温熱環境的にも
優れた住宅だとは限らない点に注意が必要です。

エコワンの補助金については現在(2024/4月)「給湯省エネ事業2024」が稼働中です。
エコワンについては1台につき10万円がベースの補助額となります。更に加算額として、
最大で15万円の補助を受けられます。
A要件インターネットに接続可能で昼間利用優先できるタイプ ・・・3万円
B要件日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)に基づく年間給湯効率が116.2%以上のものであること・・・3万円
A+B要件・・・5万円
ベースの補助額10万円 + A+Bの加算額5万円 = 最大15万円
それ以外にもZEH補助金や各地方自治体のものなど様々な補助金があります。また別の機会でご案内できればと思います。
子育てエコホーム支援事業についてはこちら
こんにちは紺野です。今日は「子育てホーム支援事業」です。 今のところのスケジュールだと3月か4月から始まりそうです。 令和5年12月12日時点での国土交通省からのリリース資料をなるべくシンプルに解説し …
続きを見る
・エコワンは33機種、価格は80万円代~130万円代までさまざま
・大分類は①ダブルハイブリッド②シングルハイブリッド③タンク別置きのX5
・一次エネルギー消費量的にはダブルハイブリッドが一番省エネ
・エコワンの補助金は「給湯省エネ事業2024」より、最大で15万円
いかがでしたでしょうか。エコワンは種類が多く、選定や入力に迷わないよう今回の記事を書いてみました。
少しでもお役に立てれば幸いです。
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長期優良住宅やBELS、ZEH認定で一次エネルギー消費量が基準に届かない、そんなことはありませんか?
Webプログラム上で規定値ではなく細かく数値を入力していくことが必要ですが、どの数値が一番有効かは入力してみないとわかりません。
そこで今回はモデルプランを使って様々なパターンで実際に入力してみました。是非、ご参考にしてみて下さい。
一次エネルギー消費量は建築物省エネ法で定められた建物のエネルギー消費量のことです。
冷房・暖房・換気・給湯・照明・家電で消費されるエネルギーの量を原単位であるジュールやメガジュールに
換算して計算するもので計算はWebプログラムですることになっています。
省エネ基準では地域と建物の大きさ、性能によって基準消費エネルギー量が算出されます。
設計する建物がこの基準エネルギー消費量より少なければ省エネ基準クリアとなります。
一次エネルギー消費量は基準エネルギー消費量/設計消費エネルギー量の値をBEI(Building Energy Index)として評価します。
削減率によって等級が定められています。
| BEI | 等級 |
| 0.8以下 | 6 |
| 0.9~0.8 | 5 |
| 1以下 | 4 |
長期優良住宅や認定低炭素住宅の要件は等級6(BEI0.8)です。省エネ基準に基づき、Webプログラムで算出される基準の消費エネルギーから
太陽光発電をカウントせずに20%削減するというもの。外皮の性能によってはまあまあ厳しめのハードルになることもあります。
絞りだすとは何やらマラソンとか駅伝のようですが、実際に計算してみると基準に少しだけ届かないということがよくあります。
そんな時に、詳細計算の中の選択項目を細かく選択していくことで消費エネルギーをより減らしていくことが可能になります。
具体的に何を選択するとより削減できるかをシミュレーションしてみましたのでご覧ください。
◎建物条件:105.99㎡(4間×4間)、総二階、
◎建築地 :6地域エリア
◎ベースの仕様:UA値 0.55W/㎡k、冷暖房はエアコン、壁付第三種換気、エコキュート
◎現状 :全ての入力項目で「規定値」を選択、
◎結果 :BEI 0.82
今回はこのBEI 0.82を長期優良や認定低炭素基準であるBEI 0.8(等級6)にすることを目標とします。

Webプログラムの画面はこちら

削減シミュレーションはこちら↓ 赤く囲っているところが80%に到達したところです。

エアコンの選定で規定値ではなく、より高性能なエアコンを選ぶことで1〜2ポイントの削減が可能です。
ちなみにエネルギー区分の(は)は規定値とイコールなので削減不可能です。

削減できる条件は、主たる居室のエアコンがエアコンのエネルギー区分(ろ)以上であるところです。
その他の居室やエネルギー区分(は)では削減に寄与しません。

換気の場合、比消費電力を入力するのがポイントになります。

三種換気の場合、比消費電力を入力します。式は消費電力/設計風量です。
例えば60Wの機種で150㎥/hの換気を賄う場合、60/150=0.4、比消費電力は0.4となります。
但し、数値としては0.2以下の小さい値でないと削減に貢献しない点に注意が必要です。
つまり、必然的に換気風量が小さいけれど、沢山換気ができる機種ということになります。
ダクト三種の場合は、ダクト径の太い(75mm以上)物だけを使う、更にDCモーターと併用することで削減が可能です。
第一種換気は単に80%の熱交換でも比消費電力を入力してもほぼ変化はありません。むしろ電力消費量はファンが2つあることで
三種に比べて大きくなっています。
この場合、80%以上の温度交換効率であり、太いダクトであり、且つDCモーターのセットでようやく4ポイントの削減となります。
壁付けの一種換気は、熱交換効率80%と比消費電力で結構な削減が見込めます。全般的にファン動力が小さいからでしょう。

エコキュートの場合、JIS効率を入力しますが、今回のモデルの場合JIS効率3.0以上で3ポイントの削減になりました。
給湯機の種類で言うとエコワンが最強です。中でも暖房も給湯も電気ガスの併用でタンク容量が160L以上の(区分2)選択で10%以上の削減ができました。
エコワンについてはこちらの記事もご参照ください。
「エコワン」ハイブリッド給湯・暖房システムとは ハイブリッド給湯・暖房システムとはガスのパワーと電気の効率の両方のいいとこ取りの機器のことです。2010年にリンナイから「エコワン」が発売 …
続きを見る

水栓は浴室のシャワー水栓と高断熱浴槽の選択のいずれかが効果的でした。


照明は主たる居室に多灯分散と調光を選択すると合わせ技で2ポイントの削減。
それ以外の削減幅は限定的でした。これは主たる居室とその他の居室などの面積比率で変わってきますので
その点も注意が必要です。

◎一次エネルギー消費量は規定値ではなく、細かな選択をすることで削減可能です。 ◎エアコンは主たる居室を(い)に。 ◎三種換気は比消費電力を、ダクト三種はダクト径とDCモーター 一種換気は熱交換効率80%以上と太いダクトとDCモーター、壁一種は比消費電力を ◎給湯はJIS効率やモード効率を入力。最強なのはエコワン160L以上。 ◎水栓は浴室シャワーと高断熱浴槽 ◎照明は主たる居室の多灯分散と調光を。
一次エネルギー消費量を削減できる技をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
今回は目標を2ポイント削減としたので、ある意味細かい削減のご紹介です。
一つ一つ検証しましたが、いくつかの組み合わせがより有効であることは言うまでもありません。
また、5〜10%届かないという場合はもっと根本的な外皮性能からの見直しが必要です。
本当は外皮で充分に削減できて、設備はミニマムで、というのが理想ですね。
尚、シミュレーションはあくまでも指定した条件下でのみのものです。
地域、UA値、向き、坪数が異なると結果も異なってくることにご注意くださいませ。
一次エネルギー消費量計算や省エネ計算についてわからないことや困ったことがあればご相談下さい。
オンデマンドビデオで学びたい方はこちら
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仕様基準とは2025年から運用が開始される住宅の省エネルギー基準適合義務化に向け、
その評価基準となる省エネルギー性能の計算方法の一つです。


住宅の省エネルギー性能計算の方法には、「標準計算」と「仕様基準」があります。
「標準計算」は計算ソフトやエクセルシートなどを使い、部位ごとの熱貫流率や面積もそれぞれ計算していく精緻な方法で
作業量は多めですが、正確な数値を求めることが可能です。
一方の「仕様基準」では標準計算で煩雑であった部位ごとの面積は計算せず、エクセルやツールも使用しません。
一次エネルギー消費量性能についても簡便なチェック項目のみで適合確認ができるというものです。

「仕様基準」にはさらに「省エネ基準用」と「誘導基準用」とがあります。
部位ごとの熱抵抗値や使用する設備の性能などで誘導基準の方が高いレベルを要求されます。
国土交通省からはガイドブックが公開されていて、基本的にこちらのシートを活用する形になります。

また、PDFに直接入力できる最終のチェックリストはこちらからダウンロードできます。
断熱材は熱抵抗値であるR値を、窓は熱貫流率であるU値を記入するのでお間違いなく。

断熱材については部位の熱抵抗値が基準よりも大きいこと。開口部については部位の熱貫流率と日射取得率が基準より小さいこと、
設備機器は条件を満たしているかをチェックしていきます。
並行して、確認申請用の図面にそれぞれの仕様やシートでチェックした熱抵抗値等の数値、開口部の仕様、
設備の仕様などを記載し、併せて確認申請時の設計図書として提出します。
<その1>適合判定を受けなくて良い
一つは適合判定を受けなくて良いことです。
「標準計算」の場合、確認申請の前に建築物エネルギー消費性能判定機関(いわゆる第三者認証機関)の適合審査を受け、
適合判定通知書を建築確認申請機関に提出する必要がありますが、
「仕様基準」の方は省エネ適判を受ける必要はなく、確認申請と一体の確認となります。


<その2>認定資料の一部として使える
もうひとつは住宅性能評価、BELS、長期優良住宅、認定低炭素住宅の認定に資料の一部として活用ができるという点です。
但し、住宅ローン減税を受けるには省エネ基準への適合が必要です。

住宅省エネルギー性能証明書についてはこちらの記事もご参照くださいませ。
<その3>外皮の面積計算不要
三つめは外皮の面積計算が不要であること。
例えば同じ仕様で複数建築をする分譲メーカーさんや規格型の住宅を手掛けられる会社さんにとって、
仕様が同一であれば毎回計算する手間を大幅に削れることになります。
注文住宅にしても、1件ごとに面積を拾わなくて良く、且つエクセル等ツールへの入力作業など含め
かなりの工数を短縮できる事になり、そのメリットはかなり大きいでしょう。
実は仕様基準には少々微妙な点があります。確かに外皮計算をしなくて良いので簡単そうに思えるのですが、
特に誘導基準においては全ての部位、設備で平均的に高レベルをキープする必要があるという点です。
例えば、エアコン。省エネ基準のシートでは(い)と(ろ)のエアコンがOKで(は)はNG。
これが誘導基準になるとOKなのは性能の高い(い)だけです。
同様にエコキュートでは省エネ基準でJIS効率2.9が誘導基準では3.3以上で、
且つヘッダー配管、節湯水栓、高断熱浴槽まで必須条件になってしまいます。
| 省エネ基準 | 誘導基準 | |
| エアコン | (い)又は(ろ) | (い)のみ |
| エコキュート | JIS2.9 | JIS 3.3、ヘッダー、節湯、高断熱浴槽 |
標準計算の場合、エアコンが(は)であっても、他の部分でリカバーはできて、合計でBEIをクリアする例は結構あります。
(熱交換換気を使う、照明の多灯分散や人感センサーを採用など)
外皮については熱抵抗値縛りで簡易で運用可能なのですが、一次エネについては簡易にしてしまうと誘導基準であるBEI 0.9(等級5)を
クリアできないことが出てくるのでしょう。エアコンにしろ、給湯器にしろここだけハードルが高いです。
こうなると、外皮は充分誘導基準以上のレベルにあるけれど、設備が基準を超えないので、適判を避けるために
省エネ基準で確認申請するケースが出てくるのではないでしょうか。
もしそうなるなら、本末転倒な気がします。
もうひとつ、太陽光発電などの再生可能エネルギーについては「仕様基準」では入力欄もなく評価に載ってこないです。
太陽光発電が関係する認定低炭素の再エネ部分やZEHの評価などにも使えないということになります。
前述のような「仕様基準」の一エネ部分に関しての解決策があります。
つまり、外皮は仕様基準で、一エネ計算をWebプログラムでの詳細計算でという「仕様・計算併用」の運用もOKなのです。
これによりエアコンが(は)のように部分的に弱い設備があっても救済が可能になります。
但し、この場合適合判定が必要になりますので折角の仕様基準の大きなメリットである、「適判不要」の恩恵がなくなってしまいます。
また、BELSは別として長期優良や認定低炭素の場合一エネの等級はそもそも6(BEI 0.8)ですし、
実質太陽光も必要なのでWebプログラムでの詳細計算は必須でしょう。
「仕様基準」は住宅省エネルギー証明書には使えるので、冒頭の通り、分譲住宅や規格住宅で適判を受けずに省エネ基準はクリアし、
住宅ローン減税は受けるけれど補助金は取らないというケースで運用されるのではないでしょうか。(ややこしい)
一次エネルギー消費量計算についてはこちらの記事もご覧くださいませ。
以上、「仕様基準」についての解説でした。
誘導基準オーバーレベルなら、はじめから標準計算で適合判定を受けるスキームにする方が、
後々補助金やZEH対応などでよっぽどスムースです。
計算方法がいまいちわからない、仕様をどうするか考えあぐねている、認定や補助金の最新情報を知りたい、など
ご相談させていただいております。良かったらどうぞ。
もっと体系的に幅広く住宅の温熱について学びたい場合はこちら
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来年(2025年)の4月からは住宅の省エネ基準適合が義務となりますね。
基準に適合していないと建築許可が下りなくなります。
もっとも、住宅の省エネ基準への適合率は2022年時点で90%を超えていますので、ここについては特に問題はないでしょう。
むしろ大変なのは「確認申請と同じタイミングで省エネ基準への適合を証明する必要がある」ところではないでしょうか。
着工前に適合判定を終えておかなければならなくなります。

国交省資料より
上にある通り、確認申請と同時に審査機関に省エネ適合判定の審査を依頼する必要があります。
審査後、適合判定通知書を行政に提出してようやく建築許可がありるという流れに変わります。
適合判定を得るには省エネ計算が必要となります。これは自社で行っても外注してもどちらでも構いません。
どちらでも良いのですが、省エネ計算とはどういったものかあらためて掴んでおくことで、自社で計算をするか、
外注に出すかの判断がつきやすいでしょう。
ということで今回は省エネ計算、特に外皮計算について、その概要を解説していきます。
住宅の省エネ基準への適合判定において、その判断基準となる省エネ計算は2種類あります。
(2024年2月現在は4種類、2024年4月から2種類に)
標準計算ルートと仕様ルートです。
仕様ルートでの計算の場合、適合基準を満たす必要がありますが、適合判定を受ける必要はありません。
その代わり、各種必要事項(部位の熱貫流率や部位の断熱材の熱抵抗値など)を図面に記載していく必要があります。
また、補助金等の申請に使えるかどうか、現時点(2024年2月)で不明です。

※国交省「住宅の省エネルギー基準と評価方法2023」1-013より抜粋
省エネ計算(外皮計算)のソフトは市販のものと国で公開している無料のものとがあります。
外皮計算のフォーマットについてはこちらの記事をご参照ください。
エクセルで外皮計算をする 外皮計算をできればソフトなど購入せず、PCで、できれば操作に慣れたエクセルベースでやりたいという方はご覧ください。 住宅の外皮計算で …
続きを見る
一番ポピュラーで国土交通省のマニュアルでも採用されている住宅性能評価表示協会のもの
で進めていきます。
一次エネルギー消費量計算の計算についてはWebプログラム上で行うことになっていますが、今回は外皮計算の解説につき、
一次エネ計算はまた別の機会に。
外皮計算は以下の順番で行います。
step
1部位別計算シートで各部位の熱貫流率を計算。
step
2外皮面積を拾い、図面に記入しておく。(屋根、壁、床、基礎など)
step
3計算書に入力、結果が出ます。
①と③はエクセルにデータを入力する作業、②は図面上で拾い、メモしておく作業です。
部位別計算シートです。いくつかルールがあり、その通りに入力していきます。
ルールについてはこちら(算定方法、第三章第三節)をご参照下さい。
①熱橋面積比→木造在来の場合、一般部0.86、熱橋部0.14です。
②表面熱伝達抵抗→この場合、内側、外側ともに0.09です。(外気に接する)
③同様に外壁、床、基礎についても同様に入力していきます。
この例の場合、ウッドファイバーを屋根に360mm吹付しています。

各部位の熱貫流シート入力を終えたら、任意の場所に保存しておきます。
また、申請提出用にPDFが必要です。PDFでも保存しておきましょう。
次に内訳計算シートAです。まずは外壁と窓の仕様を入力します。
あらかじめ、それぞれの窓の仕様と寸法を確認しておきましょう。
これを4方向入力します。

続いて内訳計算シートBです。ここでは屋根・天井と窓の値を入力していきます。
ここについても面積を入力しますので、前もって屋根、天井、床などの部位の面積をメモしておきます。

最後に内訳シートのC 土間床や基礎の入力です。基礎の評価もなかなか複雑で、別の機会に解説します。
ここまで入力が正しいと1番最初にある計算書表紙にUA値が自動計算され、表示になっています。
以上が計算の概要です。これらのエクセルシートへの入力はルールさえ守ればそんなに複雑なことはないです。
ただ、ここに出てこなかったエクセル以外の作業(面積拾い、窓の仕様確認、基礎のΨ値計算)に慣れないとかなりの時間を取られます。

結果です。この住宅のUA値は0.25W㎡/h、等級6をクリアしていますね。
このように、部位別計算シート、内訳シートのABCの内容を統合するとUA値が出るようになっています。
以上が住宅の省エネ計算の概要です。大枠のイメージはできましたでしょうか。
仕様ルートによる計算は補助金等で使える使えないが現時点で不明ではあり、また標準に比べ数値は弱く出る
というデメリットはありますが、それでも適合判定を省略できることから、
多くは仕様ルートになっていくのではと予想しています。
当社では、省エネ計算のやり方などを解説、個別の相談会を受け付けております。(毎集火曜日17:00と18:00/1,000円/H)
またオンライン講座ではより詳しい省エネ計算のやり方について解説しています。
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2024年4月から建築物の省エネ性能表示制度の運用が新たにスタートします。
その中身について詳しく解説していきます。
建築物の省エネ表示制度は販売業者や賃貸業者がその建物の省エネ性能をラベルにして表示することで、
その建築物を消費者が購入・賃借する際、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度のことです。
正式には「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」という名称です。
2024年4月以降は、住宅・建築物を販売・賃貸する事業者は新築建築物の販売・賃貸の広告において、
省エネ性能の表示ラベルを表示することが努力義務として課されます。
その他の仲介業者や賃貸管理業者、設計者などは義務の対象になっておりませんが、
消費者にラベルとその意味を伝えるという点で重要な関係者という位置づけです。

国土交通省 建築物省エネ法に基づく省エネ表示制度事業者向け説明会資料より
広告とは新聞・雑誌・チラシ・パンフレット・インターネット広告などを指します。

国土交通省 建築物省エネ法に基づく省エネ表示制度事業者向け説明会資料より
2024年1月以降に建築確認申請を行う新築建築物、及びその物件が、同時期以降に再販売・再賃貸されるものが対象となります。
住宅は分譲一戸建て、分譲マンション、賃貸住宅、買取再販住宅です。
非住宅は貸事務所ビル、貸テナントビルです。
尚、注文住宅、ウィークリーマンション、自社ビル、民泊施設注文又は請負により建築される建築物などは規程の対象外ですが、
表示に努めていただくことを期待する(国交省ガイドライン)という表現になっており、
「性能値が確定したらラベル・評価書を発行することが望ましいです。」(国交省資料FAQ)とあります。
省エネ性能表示制度の発行物は、2種類です。
❶省エネ性能ラベル(広告に使用する)
❷エネルギー消費性能の評価書(保管用の証明書)
発行方法には、自己評価と第三者評価の2種類があります。
❶自己評価は販売・賃貸業者が自ら住宅性能表示・評価協会のホームページから発行するもの。
❷第三者評価は評価機関に申請し、発行してもらうものです。この第三者評価とはこれまでのBELSのことです。
自己評価の場合、住宅性能表示・評価協会HPよりフォーマットに必要事項を入力するとラベルが発行されます。
第三者評価機関による評価の場合、計算書など必要書類を揃えて提出、審査、承認の後、発行されます。
この第三者評価が現在もあるBELS評価ということになります。
いずれの方法にしても、Webプログラムを用いて出力した一次エネルギー消費量計算書が必ず必要になる点に注意が必要です。
一次エネルギー消費量計算書を用意するには建築物の外皮性能(UA値・ηAC値)、
設備内訳(冷暖房・換気・給湯・照明・太陽光などの内訳)を把握し、計算しておく必要があります。
外皮計算と一次エネルギー消費量計算が必ず必要です。
さて、実際のラベルです。早速サンプルを用意し、性能表示評価協会のHPで自己評価してみました。

情報としてはエネルギー消費性能を★で、
断熱性能を1~7の数値であらわしています。
また、目安の光熱費とZEH水準かどうかなどの表記があります。
第三者評価の場合、左下にその旨が。
ZEHの場合、ZEHである旨が右下に記載されます。
ここで注意が必要なのはラベルの①★の数と②断熱等級の表記です。
一次エネルギー消費量等級は以下の通りですが、これとはリンクしません。
等級4 = BEI ≦1 = 削減率0%
等級5 = BEI≦0.9 = 削減率0~10%
等級6 = BEI≦0.8 = 削減率11~20%以上
星の数はどうやらこのラベル独自のものであって、あくまでも10%刻みでの削減率に応じたもののようです。

国土交通省 建築物省エネ法に基づく 建築物省エネ性能表示制度 事業者向け説明会資料より
それから断熱等級の表記も要注意です。
UA値とηAC値で低い方の等級が表示されることになります。必ずしもUA値(外皮)の
性能値ではない点に注意が必要です。(下図参照)

評価書の方はもう少し詳細が表現されています。エネルギー消費量の具体的な削減率やUA値、ηAC値、光熱費の内訳などもあります。
こちらは自己評価/第三者評価で大きな違いはなく、表現に注意が必要な点もありません。
注意するとすれば戸建で再販を想定し、保管しておくことが大事である点です。


step
1 建築物の省エネ性能を評価します。
住宅の場合のみ、省エネ性能の評価には性能基準と仕様基準の2通りがあります。
性能基準は公開されているWebプログラムを用いて評価をします。
step
2 省エネ性能ラベルを発行します。
ラベルと評価書の発行は前述の通り、自身で表示評価協会のHPにて出力か
第三者評価(BELS評価取得)のいずれかとなります。
step
3 仲介事業者などに伝達します。
レインズなどの業者向けサイト等にラベル情報を掲載し、仲介事業者のもとに届けます。
step
4 広告掲載をします。
広告について紙面の場合、横幅60mm程度の目安があります。広告を行わない場合、
購入・賃貸しようとする方への情報提供用の資料の中で表示する事になります。
step
5 消費者に説明をします。
顧客との商談・契約・引き渡しの時に評価書を使用して省エネ性能を説明するのが
望ましいとされています。
以上、建築物省エネ性能表示と省エネラベルについてご紹介しました。
2024年4月から販売・賃貸事業者の省エネ性能ラベルの表示努力義務がスタートします。
消費者にラベルの内容が伝わっていくように関係各所は努力することを求められます。
ラベルは第三者評価の他、自己評価で出力することもできます。
省エネ性能を★や数値レベルであらわしていますが、ラベル独自のものです。
対象が不動産業界の風上であること、しかも努力義務であることなどからどこまで効果があるかは未知数です。
一方でラベルが消費者の選択基準になることから、賃貸物件や新築の建売の断熱レベルの底上げなどで
一定の効果を発揮するだろうな、と見ております。
少し前にUPした住宅性能証明とも違いますので混同のないように。
住宅省エネルギー性能証明書とは 住宅省エネルギー性能証明書は、その住宅が建築物省エネルギー法の「省エネ基準適合住宅」 であることを証明する書類です。 判定項目は2つ(外皮性能基準と一次エネルギー消費量 …
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住宅省エネルギー性能証明書は、その住宅が建築物省エネルギー法の「省エネ基準適合住宅」
であることを証明する書類です。
判定項目は2つ(外皮性能基準と一次エネルギー消費量基準)の項目両方であり、
①省エネ基準適合住宅(等級4、等級4)か
②ZEH水準住宅(等級5、等級6)かのどちらかであることが記載されます。
以下の2項目について証明書が適用されます。
①住宅ローン減税を受ける
②住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度額の拡大措置
※住宅ローン減税についてはこちらをご参照ください。
※住宅取得時贈与税非課税枠についてはこちらをご参照ください。
住宅省エネルギー性能証明書は以下の4か所から発行されます。
①登録住宅性能評価機関 (こちら)
②対象住宅を設計・工事監理等を実施した建築士(登録された建築士事務所に所属していること)
③指定確認検査機関
④住宅瑕疵担保責任保険法人
②にある通り、この証明書はその住宅を設計した建築士さんご自身で発行することができます。
これは令和4年度税制改正時、住宅ローン減税延長時に、本来事務(工事監理の現場調査の事務)と
この証明書の事務調査を一体で実施して手続きの合理化を図ろうという主旨で生まれた制度によるものです。
発行を建築士さん以外の性能評価機関等に依頼する場合、費用がかかります。
某審査機関 評価書有66,000円 評価書なし165,000円
某県建築センター 工事監理報告書有 38,500円 工事監理報告書無 66,000円
某機構 工事管理報告書有評価書有 13,200円 工事監理報告書評価書無 57,200円
BELS等他の性能評価書がある場合、それを流用するためコストは安く済みます。
また、証明書の発行には現場調査が必要なため、その部分を監理報告書の形で提出できれば
こちらも大きなコスト削減になります。
現場調査まで建築士さん自身で実施されるのなら、証明書の発行までご自身で手掛けられる方が間違いなく良いです。
どうしても時間がなかったり、BELSを取るので合わせて、などの場合に外注、で良いのではと考えます。
まずは大前提として住宅の省エネ計算をする必要があります。
計算で省エネ性能値を把握した上で、書類への記入となります。
記入例の「評価方法基準第5の5の5-1(3)の等級5以上の基準」とは外皮性能基準のことです。
「評価方法基準第5の5の5-2(3)の等級6以上の基準」とは一次エネルギー消費量の事です。


従って、新築住宅の場合、上段の2つのチェックボックスの内、
上がZEH水準「外皮性能で断熱等級5、一次エネルギー消費量基準で等級6」
これは6地域の場合外皮は0.6W/㎡k以上、一エネ消費量はBEI 0.8以下(基準消費量から削減率20%以上)
下が省エネ基準適合住宅「外皮性能断熱等級4、一次エネルギー消費量基準が等級4」
同様に6地域の場合、外皮が0.87W/㎡k以上、一次エネ消費量はBEI 1以下(基準消費量から削減率1%以上)で
どちらかにチェックを入れることとなります。
用紙の右側はご自身の建築士登録情報を記入していきます。
R6年度から等級4以下の「その他の住宅」について住宅ローン減税は適用されなくなります。
また、対象となる借入限度額について、今年度はかろうじて子育て世代に優遇される格好にはなっていますが、
昨年度から比べて各レベルで500万円づつ減額となっています。
R7年度も同規模で進んでいきそうで、ZEH水準以上の性能が当たり前となっていく流れが明らかです。

ここでひとつ注意が必要なことがあります。
住宅ローン減税においては外皮と一次エネの両方が4-4か5-6のレベルでクリアできていることが条件ですが、
贈与枠非課税限度額の場合、どちらか外皮か一次エネかどちらか一方のクリアでOKでした。
且つ一般的な住宅の非課税限度額は500万円、良質な住宅(省エネ適合住宅とZEH住宅)は1000万円というものでした。
それが令和5年12月22日の改正で以下のように変わりました。(改正の告知はこちら)
(2)住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
○受贈に係る適用期限を3年間(令和6年~8年)延長する。
○非課税限度額が1,000 万円に上乗せされる「良質な住宅」の要件について、
新築住宅の省エネ性能要件をZEH 水準(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上)とする※。
※令和5年12 月31 日までに建築確認を受けた住宅又は令和6年6月30 日までに建築された住宅については、
現行要件(断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上)のまま。(報道発表資料はこちら)
令和6年7月からは4-4住宅は一般住宅と同じ扱いになり500万円、1,000万円にする場合は
5かつ6が条件となった、というものです。

この記事を執筆時点(令和6年1月25日)で必要書類の中に住宅省エネルギー性能証明書は入っておらず、
使うことはできないようです。
設計住宅性能評価書やBELS評価書などで対応していきましょう。
贈与税はまだしも、住宅ローン減税は必ず手続きが必要です。
是非、住宅省エネルギー性能証明書をご自身で発行する方向で取り組んでみて下さい。
その時にもし、省エネ計算がネックの場合はお手伝い致しますのでご相談ください。
住宅省エネについて「伝え方」が気になる方はこちらをご参照ください。
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こんにちは紺野です。今日は「子育てホーム支援事業」です。
今のところのスケジュールだと3月か4月から始まりそうです。
令和5年12月12日時点での国土交通省からのリリース資料をなるべくシンプルに解説していきます。
尚、リフォームについては割愛し、新築の住宅のみ取り上げます。
補助事業を主体となって申請するのは住宅事業主であり、補助金が一旦入金になるのも住宅会社です。
あらかじめ事業者登録が必要な点なども、これまでの「こどもエコ住まい支援事業」と大筋同じです。
「子育て世帯・若者夫婦による省エネ投資の下支えにより、2050年ゼロカーボンニュートラルの実現を図る」とあります。
対象は「子育て世帯:18歳未満の子を有する世帯、若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが39歳以下の世帯」で
新築注文・新築建売(R5.11.2以降に基礎工事より後の工程に着手したもの)
対象
今年の「こどもエコ住宅支援事業」までは一律ZEH100万円でしたが、今回からZEHは80万、長期優良住宅は100万円と金額に差がつきました。
申請の主体は住宅事業者で補助金は一旦事業者に交付されます。
建築主は共同事業者として補助金の還元を受けますが、その方法についてあらかじめ建築事業者と同意しておきます。

出展:国土交通省 子育てエコホーム支援事業説明資料より
工事着手後に補助金の交付申請の予約ができます。予約によって補助金が一定期間確保されます。
(R6.3.下旬~予算上限に達するまでの間、遅くともR6.11.30まで)
メモ
おととしの「こどもみらい」では期限の後半に急に申込が集中し、手続きが間に合わないトラブルがあったようです。
昨年の「こどもエコ」からは、審査機関に審査中である旨証明(発行受付書)をもらい、
事務局にそれを提出することで交付申請の予約ができることとなりました。
「子育てエコホーム」について制度は継続のようですが、運用の詳細は今のところ不明です。
①長期優良住宅
②ZEH住宅(強化外皮基準かつ再エネを除く一次エネBEI0.8以下)
メモ
※1.BELS認証取得にあたって、PVのないBEI0.8(星5つ)の住宅も認められるのもこどもエコ同様です。
要件として「ZEH」とありますが、実際は太陽光発電がなくともBELSで星5つなら対象になります。

出展:(一社)住宅性能表示・評価協会HPより
※2.こどもエコでは建物の大きさについて50㎡以上だけでしたが、今回は上限240㎡が設けられています。
R7.7.31までに住宅に引渡しと入居を行い、完了報告を提出します。
◎申請時必要書類
◎完了報告時必要書類
以上、今公開されている「子育てエコホーム支援事業」についての解説でした。
まとめると
実質的には来年度の事業となりそうです。
長期優良まで取って100万円かZEH(PVなしBELS星5つ)で80万円かケースバイケースでしょう。
今後も情報が更新され次第お伝えしてまいります。
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