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外皮計算が面倒 簡単にできる方法はないの?

外皮計算をしようと思うのだけれど、結構面倒。簡単な方法ってないの?
「モデル住宅法」という手がありますよ。

 

外皮計算における「モデル住宅法」とは

「モデル住宅法」は今回新たに加わった一番簡単な計算方法です。最大の特徴は「面積計算が不要なこと」です。

住宅で認められている計算方法は「標準計算ルート」「簡易計算ルート」と「モデル住宅法」の3つで順番に作業量・難易度が下がります。(仕様ルートは非住宅)

 

「モデル住宅法」のメリット

「標準計算法」や「簡易計算法」では外皮面積や基礎長さを拾って計算する必要があります。エクセルやwebソフトに入力する前に図面から面積を拾って、あらかじめ数値を出してから、入力という段取りで外皮計算において一番時間がかかるパートはまさにこの部分です。

今回の「モデル住宅法」ではこの面積計算を無くしています。屋根・壁など各部の係数があらかじめ決めてあり、断熱材等のカタログから熱貫流率のデータを転記し、係数とかけ算をするとその部位の熱貫流率の数値が出ます。

言い方を変えると、屋根(天井)・壁・床(基礎)・窓・玄関ドアそれぞれの熱貫流率さえわかれば、数値が出ることになります。建築図面がなくとも、坪数も方角も関係なく、窓もひとつひとつ拾うこともないです!!!

各部の入力が終わりましたら、係数×貫流率の数値を全て足し算します。その合計が基準値を下回っていれば基準適合ということになります。貫流率のカタログデータさえ揃っていればものの10分で計算できてしまいます。

 

 

「モデル計算法」でのηAC値、一次エネルギー消費量計算

省エネ基準に適合するかどうかの判断には「外皮平均熱貫流率(UA値)」ともうひとつ「夏期日射取得係数」「一次エネルギー消費量」の計算も必要です。

「夏期日射取得係数」と「一次エネルギー消費量計算」においては係数が違うだけで外皮のところで使用した各部の熱貫流率をそのまま流用することができます。

 

 

「モデル住宅法」のデメリット

簡単で使えそうな「モデル住宅法」ですが、気をつけなければいけない点があります。

①標準計算、簡易計算に比べ数値は弱く出る傾向にある。

②住宅トップランナー、性能向上計画認定、性能表示、BELSで使えない。

③太陽光発電分を創エネとして評価できない。

④冷暖房設備設計では使えない。

一番困るのは②の中の性能評価です。すでにスタートしているグリーン住宅ポイント制度や各種税制優遇に性能評価は必要条件となっていますので、「モデル住宅法」だと制度の恩恵から漏れてしまうことになります。

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「モデル住宅法」はあくまでも省エネ基準に適合しているかどうかのみを判断するための計算方法という位置付けですね。

 

まとめ

  • 外皮計算の中で簡単な方法が「モデル住宅法」
  • 建築図面がなくとも、仕様と各部の熱貫流率さえわかればUA値計算ができる。
  • ηAC値、一次エネ計算も数値の流用で簡単。
  • 性能表示で使えず、補助金の対象外に。

いかがでしたでしょうか。「モデル住宅法」は簡単に計算できる反面、デメリットもあり、やはり一長一短です。

仕様が決まっていてある程度多くの物件を説明しなければならない場合などに有効で、説明義務に即した簡易判断計算と言えるでしょう。

 

◎今回のテキストはこちらからどうぞ。

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